今、こんな体育の授業やってます!皆さん、どう思います?-レポート

【実践報告者】玉置哲也氏(横浜市立旭小学校主幹教諭)

【聞き手】酒本絵梨子氏(自由学園最高学部准教授)

セッション概要

日時:2022年1月22日(土)14時45〜16時15分

内容:「未来の体育」って、何なのだろう?

この問いは、実践報告者である玉置氏が、日頃よりもっている問いです。このことについて、公立小学校で体育の授業を実践している玉置氏の実践の様子を見ながら。参加者皆さんと考えていただくセッションです。

玉置氏は、日頃より「なぜ、小学校で体育を学ぶのだろう?」ということを考えており、今は、学習指導要領に示されている小学校体育の目標「生涯にわたって心身の健康を保持増進し豊かなスポーツライフを実現する」(小学校学習指導要領より引用)を拠りどころに、「一人ひとりが自分なりの運動の楽しさを味わうことができる体育学習」をつくろうとしています。

動画で2年生のマット遊び、水遊び、4年生の水泳、ボール運動、6年生のリレーの様子をご覧いただき、聞き手の酒本氏から玉置氏へいくつかの質問がされました。その中で、「学習指導要領本文は、それほど縛りが無く、現場が創意工夫できるようになっている。学習指導要領解説に縛られ過ぎないようにしたい」「一人ひとりが楽しさを味わうということを中核に授業を進めていくと、高学年であっても低学年の内容に取り組んでいることもある」というようなことが話題に挙がりました。

その後、参加者のみなさんが、少人数グループになり、玉置の授業を観て考えたことであったり、それぞれの考える「未来の体育」について意見交換したりしました。

〇参加者の声(事後アンケートより)

・玉置さん貴重な実践を聞かせていただきありがとうございました。学び方を学び、子どもたちが自分たちで学習サイクルをつくっていくということがとてもいいなあと思いました。自分も単元始めの2、3時間を学習計画や方向性を考えていく時間にしているので、校内では賛否ありますが、いろいろとチャレンジしています。また今後も宜しくお願いします。

・玉置先生、この度は大変に面白い(興味深いの意味)講義をありがとうございました。

酒本先生、合いの手の一言一言が沁み入りました。ありがとうございました。

セッション、まず、様々な制限がある中授業内容を共有してくださったことに(その信頼と情熱に)深謝いたします。

初めましてなオンライン、モデレータさまが手っ取り早く共通項を探しやすくするべく背景だけでもと思い、この会では元都特別区小教員・保護者・経営者・パラ馬術、と紹介させていただきましたのですが、ここはその3つの観点を併せ僭越ながら感想をお伝えできたらと思います。

想像すること

相手の存在を認め、相手の存在を想像しながら話が展開されていく様が伝わってきました。居心地が大変良かったです(異なる意見を集めたいと周知開催しながら相手を選び或いは斬っていく様は、御会注意書きにある通り、よくある話→そして被教育者が一番感じ取るところがここ)。

「子どもを愛でて愛して、信頼し信頼されることが大切。研修(研究と修養)が必要なのはその為。」(敬愛する先生よりいただいた言葉)

心服と内省

「子ども””が””考える」「子ども””が””達成する」ことについて(ここでは誰がその目的を設定したかは問わない)、関わる大人が問題を細分化しカテゴライズし認識可視化してから児童に戻す(且つ試行錯誤と結果は委ねる)過程は、児童の””明日””に必要な思考回路で(おそらくJリーグの佐伯さんの成功は外国生活の中でそう育っていた基礎があるゆえと思われる)、学齢が低い時分からそれを教科横断型な終日担任制の中で個人or集団で体得できる環境があることは、幸せなことだなと思いました(飛躍し、被教育者としては「誰に担当されるか」というリスクが問われるのかなと思ったけれど、教員にはマッチングの問題ではなく給与分の仕事をしているかという課題と捉え前向きに楽しく取り組んでもらえたらなと妄想したし、それを遂行する為の雑務軽減について保護者でもできることは保護者・地域もお手伝いができたらと思った)。

児童のこの思考回路については懇親会でお会いした犬飼さまと共に生理学的に掘り下げて行けたら面白いなと妄想する朝です。

青い空へ

「教員が育たない」と言われる所以の一つに””褒め合って終わる””の存在と思われ、当方の場合はさらに、褒めるは「次はどうする?」「もっとできることはないか」を伝えることだと思っており、その観点から同窓に甘んじて烏滸がましくもお伝えすると、Google Meetを使うことを事前の案内に載せていると受ける側は準備がしやすかったです(ケータイからだとアプリに飛んでインストールから必要からだった模様)。…つまりは、すごくすごく楽しかったです!

・玉置先生に公立校での実践を見せて頂いて、実際の現場でもできるのだということを示して頂き、やってみようという気持ちをもてました。

・学ぶ内容を与えるのではなく、提案する。教師と子供たちの関係がフラットなことが感じられました。

・公立学校も学び方を転換していかなくてはならないタイミングということは感じていたのですが、どのように変えていくのかが検討もついていませんでした。しかし、今回のセッションでディスカッションする中で、一層上のレイヤーから考えていくということがヒントになりました。”

〇セッションを終えて

「未来の体育」とは、抽象的で、考えることは人それぞれだと思っています。だからこそ、このことについて、具体を通して考えていくことが大切だと考えています。これからも、未来の体育を構想するプロジェクトをプラットフォームにして、互いの抱えている現場での実践を出し合いながら、それぞれが考える「未来の体育」を考え続けたいと思います。

(玉置哲也)