○セッション概要
グランチア世代の人生100歳までの夢 【高齢者の未来の体育=体育✕インクルーシブデザイン】
従来イメージ「体育」をもっと「個人の思い」から考え、「誰もが参加したくなる運動はどのようなものか?」「生活にどう変化するのか?」など考えていきました。福岡県で 50代からのチアダンス「グランチア〜たのしみ方は自分流〜」を紹介しました。
<グランチアとは>
50代からの「Grand」(仏語 ゆたかな人生を謳歌している)世代のチアダンスです。福岡県にて総勢メンバー58名。50代から80代。最高年齢は84歳のもみじさん。
実際にゴミ袋をポンポンに見たてて参加者全員でミニ体験もしました。70代80代チアリーダー3人からの意見を聞き(自分たちで編集した動画ありましたが、トラブルで再生できず残念です)、対話をしながら考えていきました。
グランチアリーダーたちの話をストーリー仕立てでまとめました。
質問:グランチアでどのようにして変化していきましたか?
1)勇気
- みんな初心者、勇気を出して扉を開いた。
- ポンポンを手にポップな音楽に合わせ、無我夢中で身体を動かした。
2)学ぶ
- 素敵な仲間たちと、リズムとフォーメーションを学んだ。
- 膝痛あるけど、無理なくかっこよく見えるポジションにしてもらった。
3)笑顔
- うまくいかないこともあった。でも仲間の励ましで最後は笑顔になれる。
4)魅せる
- 少しずつ魅せる動きに。今は舞台にも立つ。
- 「ステキ!」と、声援に包まれ、みんなを笑顔にする。
5)伝える
- 私の挑戦する姿が、周りへの応援になる。同世代も、若い人も、孫までも。
- 気分は女子高生。さらに元気になれる。
<グランチアに至るまで>
太刀山は1995年の活動当初より『幼老共生』を目指し地域で活動を開始、2006年0歳から80代も通う運動スクールの展開と、保育や介護施設への講師派遣を行ってきました。2018年より孫の世代まで応援するグランチアをスタート。新たな挑戦するシニアとしてマスコミの取材も多く受け、全国大会に出場するチームや3世代一緒におこなうチームもうまれました。また自分たちの踊る映像を動画編集したり、SNSに発信する学びもはじめ、中には71歳の弊社受付としてシニア雇用も生まれました。
〇参加者の声(事後アンケートより)
- 単純におもしろかったです。自分自身も元気に歳を重ねていきたいと思いました。ありがとうございました。
- ダンスは表現力が大切。人生のさまざまな経験がグランチアのみなさんの表現力になっているのでは。
〇セッションを終えて
「また忘れた〜」「間違えても気にしない」「ポンポンを持つと気分が若返る」などと笑いが止まらない時間でした。いくつになっても新たな挑戦をすることで、「わたしにもできる!」という自信はさらなる挑戦となっている姿や、時に冗談を交えての、グランチアリーダーの元気あふれる姿は、参加者に伝播していきました。
初めてチアダンスをする方、アメリカから、日本のチア経験者の方と多世代で多様な方と一緒にダンスしたり対話したことで、登壇したグランチアの方より「72歳だけど、シニア男性も気軽に集えるカフェをしたい」と、新たな夢もとびだしました。
今後、介護施設でも、リハビリではない、踊る、歌う、口ずさむ、見るだけなど、多様なたのしみ方から生きがいをみつけるグランチアを今後もめざしていきます。
太刀山美樹
〇セッション紹介
「グランチアと人生100年時代」70代80代の現役チアリーダー3人と平井康之・九州大学院教授がともに、それぞれの夢と2035年の自分を語る
グランチアは50代からのチアダンスチーム。振付やステップを間違えても気にしない。過去を振り返らずに、笑顔で新しいことに挑戦していくのが心情。活動を通して、メンバーそれぞれの人生も大きく変わりつつあります。
誰もが参加する多様性社会を模索する九州大学平井教授と、グランチアの可能性と社会での役割について迫ります。
坂本もみじ氏 杉山信子氏 青木史子氏 (グランチア チアリーダー)
平井康之氏 九州大学 大学院 芸術工学研究院 デザインストラテジー部門 教授
太刀山美樹氏 九州大学院 平井研究室 グランチア代表