Wellbeing向上をがっこうヨガで叶える体育のあり方

〇セッション概要

 学校ヨガ推進委員会代表理事であり、大学講師・スクールカウンセラー・教育委員会学務課就学心理相談員もされている太田千瑞氏により、実践を含めた講義をして頂いた。
 内容としては、学校ヨガを実施することで子供たちに与える影響が多くあること。特に体験した人により、活性効果にも鎮静効果にも変化することができる点などを話された。学校ヨガは大人が行っているヨガとは違い、子供向けにプログラムを立案したキッズヨガを行っている。コミュニケーションも大事にするため、集団で輪になったり、ペアで行うことも大事にした内容。それにより自分の身体をみていく時間を大切にし、ヨガを通じて自分を知る機会を提供していた。
今回は会場とリモートのハイブリットで行っており、現地では参加者がキッズヨガを体験した。

〇参加者の声(事後アンケート・セッション中の発言より)

・実際にキッズヨガを受けることで、従来のヨガとは違い笑い声も飛び交う内容だった。

・自分の感想を大事にし、好きなポーズや呼吸を行っていた。子供がわかりやすいようにハチの呼吸やヘビの呼吸など例えも面白かった。同じレッスンを受けているのに活性効果が出る人と鎮静効果が出る人が居るのが不思議だった。

・現場ではヒーヒー言いながらペアで行ったりコロンと転げたりし笑顔や笑い声があふれていた。

〇セッションを終えて

 現代の子供たちは疲れている子も多く、不眠な子も多い。ヨガをすることで最後の2~3分のリラクセーションで寝てしまう子もいるが、ヨガの時間で短い時間でも睡眠をとる機会にもなること。キッズヨガを体験することで内側から元気になったり、落ち着かない自分に気づいた子供もいること。朝に取り入れることでストレスマネージングになったり、必要性を感じて自ら自分の生活に取り入れている子供もいる現状を知った。「学校の授業でヨガ?」と最初は思っていたが、子供の頃から自分の身体を知り、自分を知る機会を設けることで、心のゆとりを持ち生活できる要素となることを学んだ。

(水野碧里)

〇セッション紹介

Wellbeing向上をがっこうヨガで叶える体育のあり方

・ストレス社会と言われる現代において、子ども自身のストレスケアにおいて、室内で短時間で気軽にできるセルフケアスキルを持つことは急務の課題である。運動習慣の二極化、受験ストレス、自殺率の上昇といった問題を総合的に解決する方法を学校体育が担うことはできないだろうか。
・小学校段階における体育領域と保健領域を横断し、「心と体のつながり」を学ぶ単元は存在するが、認知的な理解にとどまる授業実践が多い。呼吸法など、日常生活に活用できる方法の学習も増えているが、習慣化に至れる子供が興味関心を寄せやすく、簡易的なものを低減することに意義がある。そのため、基礎的な動きと呼吸の連動を重視するヨガの実践を行う。目的としては、「心身をともに育む健康的な身体づくりを目指し、学校体育と日常を架橋するヨガの実践」を挙げ、具体的な実践の体験を提供したい。
・お茶の水小学校における体育ヨガ導入の予備調査報告を、児童の自由記述式アンケートの取りまとめを参照しながら、実践を含めて検討する。

和氣拓巳氏(お茶の水小学校教諭)
太田千瑞氏(がっこうヨガ推進委員会代表理事)