「教育現場に於ける『消費者と生産者』〜里山自然/教育現場の実践から、行動変容(意識転換)の可能性を考える」 レポートー中川隆義氏(ままmaioka/横浜をつなげる30人、銀行員30年からベンチャー企業へ) 山本尚毅氏(北陸先端科学技術大学院大学修士課程、教育企業勤務)

〇セッション概要
本セッションのテーマは、「消費者意識から生産者意識への転換をどう促進させるか?」。
消費慣れした社会の中で、与えられることに慣れ、自分で考える機会が失われています。
このことは教育現場においても共通する課題ではないだろうか。
このことを2つの実践事例をもとに参加者と共に考えるセッションでした。

【里山の自然保全活動の事例 中川さんより】
舞浜公園の自然を守っていく公園管理のための次世代が不足しているという課題があります。その課題解決のための取組を紹介していただきました。

【雪国で雪を面白がる人を増やす事例 山本さんより】
北海道の人の大多数はそこまで好きじゃない⇔海外の人は北海道の雪に惚れ込んでいるというギャップがあります。この課題をチャンスと捉え、先生方と共に行った雪に関する授業づくり・実践を紹介していただきました。

ブレイクアウトセッション「教育現場に於ける『消費者・生産者』とは?」
生産者意識をもつこと/もってもらうことの難しさや生産者意識をもつきっかけとなったこと、「当事者意識と生産者意識の違いは?」といった疑問などについて、参加者それぞれの体験や経験を基に意見交換をしました。

〇参加者の声(事後アンケート・セッション中の発言より)
・力むことなく、強いることなく生産する?立ち位置を試行錯誤されているような、みなさんそれぞれの実感のこもった議論が聞けました。
・生産者意識をもつには、「楽しむ」が必要なのではないか。
・生産者意識を育てるのは遊びと自由なのでは?
・必ず生産者にならないといけないというわけではないだろう。消費者として生きていくということが認められても良いと思う。

〇セッションを終えて
「消費と生産」という視点で、自分自身や子どもたちの活動を見直す重要性を感じた。教育現場において、教員は既存のプログラムを実践するだけの消費者になっていないだろうか。子どもたちは課題を消費するだけになっていないだろうか。といったことを考える良い機会となりました。目の前の子どもたちが卒業後、社会の一員としてどのように社会と関わり、社会を創っていくのか、といったことを常に考えながら授業を創っていきたいと感じました。(松下祐樹)

〇セッション紹介
「教育現場に於ける『消費者と生産者』〜里山自然/教育現場の実践から、行動変容(意識転換)の可能性を考える」

決められた通り、与えられた通りにカリキュラムを使用するだけではなく、能動的に実験的な事を取り組んでいるか?教育現場に於ける“生産者”とは何か?教育現場に関わる人たちと語り合いたい。自然保全活動現場でも同じ課題を抱えている。里山自然での実践を共有することで、教育現場の在り方を改めて考える機会に。そして、自然ボランティア現場での意識転換とも共通するヒントを得たい。里山市民活動家と教育研究家の異色対談セッション。

中川隆義氏(ままmaioka/横浜をつなげる30人、銀行員30年からベンチャー企業へ)
山本尚毅氏(北陸先端科学技術大学院大学修士課程、教育企業勤務)