英国国家資格BTECが日本のスポーツを変える! 宮原氏―レポート
まずは、宮原さんがBTEC導入に力を注ぐ理由をお伺いしました。これまでの経験や日本のスポーツにおいて感じている課題についてお話をいただきました。その後、少人数のグループに分かれ、「それぞれのスポーツや部活に対する課題意識」というテーマで対話を行い、長い間変わらない部活動の行い方や進路活動において部活動がどの程度役に立つのか、スポーツをキャリアとして生かそうとしたときの課題などを共有しました。後半は、宮原さんより「BTECの概要」についてご説明いただき、質疑を行い、終了となりました。
〇参加者の声
(対話「それぞれのスポーツや部活に対する課題意識」より)
・IBのようなシステムを入れている学校は限られている。
・部活に打ち込んだ後、結局何のためになったの?となる現実がある。
・部活をやっていたからといって、企業側からすると採用に結びつくような形や能力になっていることは少ない。
・スポーツには多様な価値があるからこそ、人々に良い影響を与えることはできるはずだけど、ではどうやって?が難しいのが現実。 ・スポーツをキャリアとして生かしていくためのチャレンジがしにくい。スポーツに関わる幅の狭さがあると感じる。想いがあっても、スポーツは収入に繋がらない。ボランティアで成り立っているスポーツの世界に問題がある。いいことをしているのに、価値があるのに。スポーツに関する仕事にもっと対価があってもいい。
(事後アンケートより)
・日本と海外の良さを掛け合わせることで日本のスポーツ界の発展につながると感じています。
・初めて知る情報があり、スポーツに携わり指導する身としては、様々な進路情報を生徒に伝えられることで、生徒の進路選択の幅を広げてあげられると思います。 ・「英国国家資格BTECが日本のスポーツを変える!」ことができるかも、その潜在的な要素を知ることができました
〇セッションを終えて
まだまだ日本では馴染みがないBTEC。このような仕組みが普及していくことで日本のスポーツは良い方向に変わっていくという可能性を感じました。対話が進んでいく中で、資格を持っていることが重要なのではなく、資格を取る過程で、社会に出て通用する力を身に付けた人間に成長できるということが重要であるということを再認識できました。BTECのような仕組みが普及し、うまく機能するようになることで、スポーツや運動に取り組んでいる人が、意味を持って取り組み、自分にはどんな力がついているのか、何ができるのかということをより具体的に語れるようになるのではないかなと期待が膨らみました。今回の短い時間の中だけでBTECについて理解しきれたとは到底言えないので、もっとBTECについてよく知り、自分には何ができるのか考えていきたいです。
(松下祐樹)
〇セッション紹介
タイトル 英国国家資格BTECが日本のスポーツを変える!
部活動に学校生活の大半を捧げるなど、運動・スポーツに時間をかけて努力してきた人が現役を引退した時、進む道が閉ざされてしまうケースや見失うケースがある。運動・スポーツに取り組んだ結果、その後の人生に役立つ力がつき、選択肢が広がる。運動・スポーツで身についた力が社会で認められる。そんな可能性のある資格制度が英国国家資格BTECです。学生であれば、部活をしながらBTECのプログラムを学んでいけば、スポーツへの関わり方を拡げられる可能性もあります。まずはBTECの仕組みや可能性、宮原さんがBTECに可能性を感じるようになったきっかけをお話していただきます。そして、BTECのような制度を導入しようとしたときに起こり得る課題や、部活動の在り方を問い直せる可能性を参加者の皆さんと考えるセッションです。
宮原継享氏(Football Samurai academy とJapan at UKのダイレクター、イングランドサッカー協会公認代理人)