スポーツテクノロジーを活⽤した体育、運動プログラム実践〜地域小学校および慶應キッズパフォーマンスアカデミーの試み~太⽥千尋⽒—レポート

〇セッション概要

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⾃⼰紹介+ハイパフォーマンスとスポーツテクノロジー
成⻑期から体と⼼の成⻑の場 ✖ テクノロジー活⽤が必然
 • クエッション 授業や教室でどんな SPT を使っていますか?(チャットで)実践報告①GNSS と映像
 • ⽇吉台⼩の試み①タグラグビーと GPS ✖ドローン
 • ⽇吉台⼩の試み②遅延映像の活⽤と成⻑
 • ⽇吉台⼩の試み③GPS で 50m 計測を当たり前に
 • アンケートの結果
実践報告②通信テクノロジーの活⽤
 • コロナ下での運動 オンラインセッションとその効果(廣澤先⽣)
 • オンラインと実践の組み合わせ(専⾨コーチを⾝近に) ラジオ体操事例
 • 限界点や SPT の改善点にも触れて
 • ブレイクアウトルーム
 • グループ発表+締め
お話の内容や対話の様⼦等

〇参加者の声(事後アンケートより)

・⽿だけの参加になってしまい残念でしたが、とても興味深いお話でした。テクノロジーを活⽤することで、より児童は⾃分の動きに根拠をもってとりくむことができると感じましたし、強いイメージをもって運動できると感じました。現在 VR などを活⽤している学校も増えているようなので、いろいろな実践を試していきたいなと思います。(教員の⽅)

〇セッションを終えて

・実践を⼀緒に⾏わせていただいた教員が、司会者という形でのセッションだった。2019 年ラグビーワールドカップが実施されることになり、横浜市港北区をラグビーで盛り上げようということで始まった今回の取り組み。⽇吉台⼩学校での実際の取り組みと、その取り組み中とその後の⾏動変容などもお伝えすることができたと思う。
現在、アスリートは様々なデータを駆使して⾃分⾃⾝の管理をしたり数値⽬標を⽴てたりしている。そのような状況の中で、⼦どもたちの体育の授業でも GNSS デバイスからのデータやドローンからの映像などのデータを利活⽤することで、⾃ら進んで考え、動き、そしてまた考えるようになってほしい。デバイスなどにコストはかかってしまう部分はあるが、低コスト化も実現できているとこもあり、今後の更なる発展や広がりが期待される。
また、そもそも、⼦どもたちとの関わりが増えてきたのは、「筋⾁・筋⼒・パワー・持久⼒については増⼤可能だが、「絶対的スピード・柔軟性・ボール操作・空間認知・思考速度」などについては育成適正期に成⻑できる環境やコーチングが必要だという考え⽅からであった。
そして、慶應キッズパフォーマンスアカデミーさんの取り組みについてもご紹介していただいた。「⼤学⽣からでも伸ばすことができるもの」と「⼩学校の頃から取り組むことでよりよい結果につながること」ということで、⼩さなころから、科学的な理論に基づいた運動を実践することの重要性を改めて確認した。このような取り組みが、ここの地区だけでなく全国的に広がり、スポーツが好きな⼦どもが増え、将来的に 1 ⼈でも多くスポーツが好きな⼈が増えることを期待している。
さらに、現在⼩学校の新体⼒テストの⼀つとして実施されている 50m ⾛だが、ストップウォッチでの計測は、その計測者によって熟練者でも 0.2-0.3 秒程度の誤差が⽣じてしまうという。スターターとのタイミングも若⼲の差があり、正確に計測するのは⾮常に難しい。光電管での計測は正確だが、1 ⼈ずつでないと対応できない。そこで GNSS デバイスを活⽤することで、光電管での計測と差異のない、正確なデータが取れることがわかった。そうするとこれまで 1 ⼈または 2 ⼈ずつ計測していた 50m ⾛が⼀度にかなりの⼈数が計測可能になる。そうすると、年に 1 度ではなく、何度も正確なデータが計測可能で、⾃分⾃⾝の成⻑を実感できるようになるのではないだろうか。
また、実際の⾛ったときの速度や加速度の変化をそれぞれがデータから読み取ることで、そこにも学習が発⽣するし、⾃分⾃⾝の特徴を理解することができる。
「未来の体育」。GNSS デバイスを使⽤したり、ドローンを活⽤したりすることは以前から⾒ると「未来」ではあるが、実現している現在はもう「未来」ではない。ただ、このような最先端ともいえるテクノロジーを利活⽤して、体育を考えていくことが⼦どもたちの「未来」につながるはずである。
(伊藤創)

〇セッション紹介

スポーツテクノロジーを活⽤した体育、運動プログラム実践 〜地域⼩学校および慶應キッズパフォーマンスアカデミーの試み〜


慶應義塾⼤学が取り組んできた、ラグビーの⼤学や⽇本代表がデータ活⽤で選⼿の成⻑や怪我の防⽌をしている事実。このノウハウを育成世代へ還元し、運動・スポーツが好きになる、成⻑を⼿助けしたいという思いが機転となった。
デバイスの開発サポートと実証を SDM 活動が貢献,仕組みやハードルを下げてきた。
データでは⼈とも⽐べることができるが、⼀番は今の⾃分からの成⻑,挑戦を可視化できること。
スポーツが⼈と⽐べると苦⼿意識が芽⽣えるが、今の⾃分と未来の⾃分に問いかけることで、運動に興味を持つことができる。


太⽥千尋⽒
慶應義塾⼤学⼤学院システムデザイン・マネジメント研究科特任助教
慶應キッズパフォーマンスアカデミーアドバイザー
ラグビー⽇本代表 S&C コーチ