〇セッション概要
株式会社電算システムから5名の登壇者をお招きして、スポーツ選手を積極的に雇用することについてその意義や今後の展望について参加者とともに考える機会としました。
はじめに株式会社電算システムの会社概要について、IT関連や収入代行システム等を主な業務として行っていることをご説明いただきました。今回のセッションに関連し、会社としてスポーツ選手を雇用するきっかけについても教えていただきました。
8年ほど前に紹介された方を採用したところ、勤勉な様子が見られ、その方が水球をバックボーンに持つ人であったということ。それ以来徐々に水球を選手として続けていく方の入社が続き、DSKドラゴンズという水球チームの活動につながっているということでした。企業としてはスポーツ選手の持つ堅実に取り組む姿勢や、失敗を経験してもまた前向きに取り組める姿勢を期待するとともに、勤務するにあたって必要なスキル等を身につけていくことで大きな魅力ある社員になることを願っている、とのことでした。
当日は3名の東京オリンピック出場選手にご参加いただき、選手目線で現状の活動状況等を紹介していただきました。通常勤務に加え、所属チームでの練習、また代表選手については日本代表としての活動も含めスケジューリングを行い活動しているとのことでした。それらは、企業の協力を得て活動できていることが、社員として生活していることの大きなメリットであり、デメリットについては、終日オフのような完全休養日をつくりづらい、ということでした。
以上のように、企業側、選手側双方からお話をいただき、多様な時代となった昨今ではありますが、こうしたスポーツ選手であることを魅力に感じ雇用することについて、あるいは選手に聞いてみたいこと、現状スポーツに励むジュニア世代にとってどのようなことが大切かについて、参加者・登壇者で考え、意見を交わす場を設けることができたと感じました。
〇参加者の声(事後アンケート・セッション中の発言より)
・会社と選手がお互いに思いやっている関係性が築けているように感じられるお話で、こういっ た企業が増えると良いなと感じました。
・コップさんのこの後の活動も気になります!
・こうした生のトップ選手の現状をジュニア世代にも伝える機会がサミットであれば良いなと思う。
・次年度このセッションを受けてどのように活動が変化したか続編を企画してはどうか?
・来年は電算システムの活動を考えるセッションとなってもいいのかもしれない。
〇セッションを終えて
今回は、スポーツ選手の持つ魅力を企業側はどう捉え、何を期待して雇用しているのかを率直に聞くことができました。また、マイナースポーツにあたるであろう水球選手をあえて採用していることの意義も聞くことができました。
登壇者は、選手にとっては、まずは活動を継続できる環境を求めているため、こうした企業がある事は選手としての活動期間が伸びることにつながる、と述べていました。また、今回の株式会社電算システムはIT企業であるため、社員としてITに関わるスキルの獲得も、選手としての生活に区切りをつけるとしても、選手にとって大きなモチベーションとなりうることがわかりました。しかし、まだこの取組は8年ほどしか経過しておらず、水球チームの代表も兼ねる武村氏からは、今後より選手やチームが会社に寄与する方法やカタチを模索したいという話がありました。現役選手が競技だけでなく、社員としてどう会社に還元することができるのか、何か具体的な実践を期待したいと思います。(藤原修一)
〇セッション紹介
セッションタイトル
スポーツ選手を雇用する意義とは?
セッションの説明
ひと昔前はスポーツをしていることはとても価値あることで、就活の際にも自分の個性として伝える1つとなっていたように感じる。しかし、現代では様々なことの価値を認める多様な視点が求められており、ある1つのことだけを価値あるものとすることは少ない傾向にある。そんな現代でもスポーツ選手、それもあえて水球選手を雇用する企業がある。そこには選手側、企業側にどんな意味があるのか?参加者の皆さんと社会におけるスポーツを継続して続けていくことの意味を考えてみたい。
登壇者氏名(肩書)
渡辺 裕介(常務取締執行役員・ICT事業本部長)
稲場 朱里(東京オリンピック出場)
塩谷 南美(東京オリンピック出場)
コップ 晴紀イラリオ(東京オリンピック出場)
武村 毅(Education営業課長・DSKドラゴンズ代表)
藤原修一(千葉県中学校教員)