〇セッション概要
「外から与えられるシステム」と「内から編み直されてゆく場」という2つの秩序形成の在り方とそれによる場の違いなどを、具体的な事例を通してお話していただきました。
例えば、
教員が「書くのが遅いね」という風に見ると、周りの子も「書くのが遅い子」という風に見るようになる。教員が「丁寧に書いているね」という風に見ると、周りの子も「丁寧に書いている子」という風に見る。
奇声をあげている子に対して関心を向けると、「異常な行動をしている異常な子」ではなく、「いつも迷惑をかけている母への優しさと忍耐と自己主張」に見える。そのように見て応答する教員の行動に立ち会う他の子にも、その子への関心が生まれる。
無関心に見える子は、ものさしを突きつけ合う場において一生懸命自分の身を守っているという風にも見える。その子に対して、勇気を出して自分を表せというだけでは、解決しない。
このような具体的な姿を通して、内から編み直されていく場という秩序形成の在り方の理解を深めていきました。
〇参加者の声(事後アンケート・セッション中の発言より)
・私自身がちゃんと関心を持てているか、問い直しを迫られるような、お話でした。同時に目的と手段がいかに容易に入れ替わってしまうか、というお話としても聞きました。目的・自分の願いを問い直すこと、その目的・願いについて、子どもと合意形成を図ること、それを急がないこと(じわっと、じわじわ進める)、が大切なのかなぁと思いました。目的と手段が入れ替わるということは、考え方によっては、修正も可能なのかもしれません。
・対面で伺いました。秩序を作る先生の視点がどこにあるのか?それがクラスや子供たちに大きく影響していることを事例から改めて気付かされました。
〇セッションを終えて
関心を向けると、そこで起きていることの出来事の見え方が大きく変わる。そうすると一緒にそこにいる人たちの見方も変わっていく。じわっと変わっていくことを信じて、まずは自分自身が子どもにどれだけ関心を向けているかを日々感じながら、子どもと向き合っていきたいなと感じました。
(松下祐樹)
〇セッション紹介
もうひとつの秩序の作り方について考える
授業やスポーツ活動において、秩序をどのように作っていますか?
指導者がしっかりと管理した方が良い?
指導者が圧をかけ過ぎてはいけない?
子どもに任せて秩序が保てる?
秩序をテーマにした講演を聞き、参加者それぞれの実践を振り返りながら、もうひとつの秩序の作り方について一緒に考えましょう。
岩川直樹氏(埼玉大学教授)