〇セッション概要
自由学園で体操を教えていらっしゃる早野先生から、世界体操祭の歴史や大会の概要、自由学園の参加の経緯や様子を写真や動画を交えてお話しいただき、さらには競争せずにパフォーマンスを見合う体操の学校体育との関連やその後生涯に亘って運動に親しむことに資する体育とはどのようなものか、また「身体を育てる」という観点から「媒体としての身体」相手の身体を感じる「身体の感性」など、これまでの7日間の最後にふさわしく、他のセッションと通じるような点にも言及されました。
後半は世界体操祭2023に参加した自由学園の学生4名から、これまでの体操や運動に関するライフヒストリーからなぜ体操祭に参加しようと思ったのか、準備から現場の様子や本番を経験してどのような変化があったのか、なかったのかなど、率直な話をお話ししていただきました。
〇参加者の声(事後アンケート・セッション中の発言より)
・学生の綺麗事だけではない生の声を聞けて良かった。
・パフォーマーになることで、観客としての目も育つのかと思い、見る側が比較しながら見るのではなく、目の前のものを楽しみながら「見る」をいかに育つのかを考えたいと思いました。
〇セッションを終えて
世界体操祭の歴史や大会の様子を見ると、オリンピックの祭典のようなとても盛り上がっている様子が伺えましたが、参加者は全てアマチュア、上手も下手もさまざまであるお話し、そしてそこには競争してナンバーワンを決めるというモチベーションはなく、まさに「参加することに意義がある」を存分に楽しんでいることがよくわかりました。また学生たちの話からは、我々教員が理想を追い求め良い!良い!と思っていても、なかなかその積み重ねてきた運動経験から運動スポーツへの価値観がガラリと「運動大好き!」というような大きな変化があるわけではないリアルな様子がよくわかり、むしろ特別なイベントというよりも日々の授業や教員がどのように運動をまなざしているのかということが積み重なって子どもは自分と運動との関係を作り上げているのではいかと思わされ、大きなイベントのその哲学を手元の授業へ引き寄せて実践をしていくことが大事ではないかと思わされました。
(酒本絵梨子)
〇セッション紹介
World Gymnaestrada 2023に参加してー競争のない体操の世界大会
スポーツの世界大会と聞くと、誰が世界一かを競う大会を思い浮かべると思いますが、競争のためではなく、これまでの成果を発表し合う体操の世界大会があります。競争ではない世界規模の体操の大会・World Gymnaestradaについてと、今年オランダで行われた大会に参加した学生たちがスポーツをどのように捉えるようなったのか、感想などを紹介していただき、スポーツの大会のあり方やスポーツの関わり方について考える時間にしたいと思います。
早野曜子氏(自由学園)
真鍋志麻さん 芳原爽さん 伊藤碧菜さん 丸原歩さん(自由学園・世界体操祭参加学生)