「誰にでも関わる教育の話-僕らに何ができるのか?」 古内しんご氏(つみき代表)―レポート

〇セッション概要
体育科の目標は「豊かなスポーツライフの実現するための資質・能力を育てる事」です。これは文科省が示しています。技能はあくまでその一要素でしかありません。しかし、未だに技能偏重型の体育が多く行われ、運動そのものが嫌いになる子も少なくありません。このように”手段が目的化”し、知識技能を重視するあまり、目標に対して逆効果を起こしているのは体育だけではありません。しかし、そのように目標が覆い隠されてしまうのには理由があり、保護者、行政、メディア、すべての人に関わるものです。そのように理解した上で、様々な立場の参加者の皆さんに「教育の最上位目標は何ですか?」「その目標に向けて、自分には何ができますか?」を考えて頂き、グループに分かれて対話をさせていただきました。

〇参加者の声(事後アンケートより)
・自分の現在地を知る良い機会になりました。普段、もやもやしながらも通り過ぎて行っている課題についても考えられたので良かったです。
・足るを知る。今の自分でいいんだと思いながら、教育活動に携わっていきたいと思いました。皆さんの話を聞いて、集団で生き抜く力を育むために、自分ができることをしていこうと思いました。ありがとうございました!
・教育の最上位目標は?という問いで、自分の考えを振り返ったり、グループの皆さんの考えを取り入れたりすることができました。
・次回「体育嫌い研究会」がある時はぜひとも参加させていただきたいです。
・楽しかったです。みなさんと共感できてよかったです。

〇セッションを終えて
 「教育の最上位目標は何ですか?(ご自身の言葉で)」という問いに対して、参加者の皆さんが紡ぎだした言葉にはエネルギーが宿っていました。当たり前かもしれませんが、全員異なる表現でした。それぞれのもつ教育観や人生観が大きく影響しているのだと思います。しかし、それぞれ異なる表現でも、対話を続けると共通点や関連項目が見つかっていく様子はとても面白かったです。それを踏まえて、もう一度内省されたり、自分の教育観をより強固に確信されたり、それぞれ考えをブラッシュアップしてくださいました。
 さらに「その目標の為に自分に何ができますか?」という問いに対しても、それぞれのお立場での日頃のご実践を話されたり、明日からしたい変化を話されたりしていて、参加者の皆様の参画意識と行動意欲の高さを感じました!私自身、お話からとても学ばせていただきました!
 皆さんに表出していただいた尊い最上位目標が覆い隠されない為に必要な “子供が生まれた時の感情” の話、「足るを知る」という話を最後にさせていただきました。僕自身話しながら自分の生き方を見つめ直させていただきました。
 私は”子育て教育”がより多くの人の自分事になるきっかけをつくる活動を続けています。今回のセッションは、まさしくそこに関わる話でした。このような貴重な機会を頂き、運営メンバーの皆様に感謝申し上げます!ありがとうございます!!また、沢山の学びをくださった参加者の皆様ありがとうございました!

(古内しんご)

〇セッション紹介
「誰にでも関わる教育の話-僕らに何ができるのか?」
子育てが孤立の“孤育て”になっていたり、教育が学校だけのものになってしまったりします。教育がより良くなっていく為にイマ僕らに出来ることについて考えるきっかけの時間とさせて頂きます。

古内しんご氏(『つみき』代表、教育コーディネーター、通称:偽善者先生)

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