ようこそアスリート!学校体育の世界へ 江藤裕太氏、近江望氏―レポート
今後、より多くのスポーツアスリートが学校現場に関わっていくことが考えられます。その際、気を付けるべきことは何か、より良く関わっていくにはどのようにしたら良いか、といったことを考えるセッションになりました。
まずは、陸上競技で日本一になった江藤さんの体験・経験からトップアスリートの心境や考えを共有していただきました。その上で、陸上クラブでの事例を紹介していただき、楽しめていない子どもに対してどのように関わるべきかを参加者の皆さんで考えました。最後に、保健体育とスポーツの違いやアスリートが学校現場に関わる時に気を付けるべきこと等について対話をしました。
○参加者の声
・結局のところお金の問題にぶつかる。
・ゲストに丸投げでは良い授業にならない。
・体育専科に任せたい教員もいれば、自分で体育をやりたい教員もいる。
・体育専科として関わってもらうという形で考えると、給与面での制度が確立しないと引き受けるアスリートはいないのではないか。
○セッションを終えて
アスリートが学校体育に関わるメリットは大きい。しかし、単により上手くなる、より速くなる、より強くなるためのトレーニングとして体育の授業が使われるようになってしまうことへの危機感を感じるセッションだった。今回紹介していただいた放課後の陸上教室の事例のように、競技の専門家と教育の専門家が協力して授業を作っていけるようになると良いのだろうと感じた。一方で、それを実現するためには、時間や労力、給与、人的リソースの有無など様々な角度から仕組みそのものから考えていく必要も感じた。
(松下祐樹)
〇セッション紹介
タイトル ようこそアスリート!学校体育の世界へ
中・高・大学校だけでなく小学校においても体育専科教員の導入が進められる動きがあり、今後、より多くのスポーツアスリートが学校体育に関わっていくことも考えられます。教科指導の専門性を持った教師によるきめ細かな指導と中学校の学びに繋がる系統的な指導の充実を図る観点が期待される動きである。これまでスポーツに取り組んできた力が学校体育により効果的に生かされるために必要なことを考えていきましょう。教科(保健体育)とスポーツは同じなのか。保健体育と部活動とスポーツはイコールなのか。それぞれのフィールドでの共通点と相違点を整理し、学校体育、社会体育、一般スポーツにおいて大切にされていることを再考していきます。
江藤裕太氏(スポーツクラブgemstar代表・よしもとふるさとアスリート)
近江望氏(ダンスサークルHOPE dance circle主宰・よしもとふるさとアスリート)