〇セッション概要
セッションタイトルにパワーワード「田んぼ」が入っているセッションでした。体育と田んぼ?となるところから、登壇者3名がそれぞれの立場から田んぼでの活動に価値づけをしていく流れであった。これまでの実践を紹介いただき、柔道の動きや身体の使い方という視点から田んぼでの活動の意義を考えた。また、理学療法士の立場から医療的な側面ではどんな効果が来たできるのかなどをひも解いた。小学校での実践が主なものである中で、中学生以上での実践の可能性や、他で行われている類似する実践や理念が近い実践などを共有し、広くこれからの自然体意見学習の必要性やあり方について考える機会となった。
〇参加者の声(事後アンケート・セッション中の発言より)
・楽しくためになるディスカッションでした。
・中学校現場にどのように取り入れるか、悩ましいところです。
・田んぼでなくても、自然に触れる機会をあえてつくることが大人の使命かな、と思います。
・体育は、自分のからだへのきづき、からだとの対話の時間だと感じています。自身もふくめて。そこに環境や施設や道具が必要になり、その一つが自然環境だと思います。
〇セッションを終えて
体育は決して学校だけで行われるだけではないことを再確認するセッションであった。登壇者3人がそれぞれの立場で話しているが、どこか共通項もある不思議な関係性。子どもにとって非日常な環境での運動や活動はそのものが楽しい時間であり、有意義なものであろうと思うことができた。タイパなどが流行の言葉で飛び交う中で、稲作のように時間をかけなければ収穫までたどりつけないものに触れることで、田んぼでの体験だけでなく、時間の経過とともに緩やかに成長する姿が子どもたちにあるのではないかと考える。
(藤原修一)
〇セッション紹介
『田んぼは“総合学習”最強種目⁉』~体育要素がメガ盛り、あなたの“体育”、見つめ直しません
か?
・小学生が田んぼ授業、「教育田」。いわゆる「総合的な学習」に位置づけられ、コメづくりを体験して食の大切さや食文化、そして、コメに関わる人たちを通じて地域との交流から社会性を学ぶ。そして、生態系を維持するといった点など、SDGsにつながる教育として注目されている。
・いやいや、「教育田」の価値は、実はそれに留まらないのでは?体幹トレーニングや五感を使うことへの刺激にもつながる可能性という点でも価値が見直されるべきでもあり、むしろ「体育種目」の一つにもなり得るのでは???
・田んぼの授業をキッカケに、皆さんの“体育とは?”を見つめ直す90分!里山活動家と柔道家教諭と理学療法士の異色対談セッション。
中川隆義氏(チームままmaioka/元銀行員、里山活動家のたまご)
藤原修一氏(千葉大学教育学部附属中学校/保健体育科教諭/専門は柔道)
水野碧里氏(Circle of Life代表/理学療法士/スポーツで居場所づくり!)